仕事一筋37歳独身フリーランス女性の私が、妊娠の兆候を察知したところまでが前回の記事。今回は、妊娠確定後から妊娠初期に自分に起こった変化を中心にまとめました。
「産む」は即決、でも「私の仕事」どうなっちゃうの?
2019年10月12日。記録的な大雨と、各地に甚大な被害をもたらした台風19号が迫る中、私は朝イチで婦人科の再検査を受けて、いよいよ「妊娠」の診断を受けました。ただしそこで言われたのは、「胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)は確認できたけれど中身はまだわからない。また2週間後に来てください」とのこと。妊娠全体の約15%が流産すること、妊娠初期、特に妊娠9週目くらいまではそのリスクが高いことなど、いのちを得た喜びと失う恐ろしさが交互にやってきて落ち着かない毎日でした。しかし、泣いたり心配したりしてばかりでもいられません。
妊娠の兆候が現れたときから、「出来ることなら産みたい」という気持ちは一貫していました。とはいえ現実には、仕事の問題、収入の問題があります。私はフリーランス2年目で、仕事は順調。正直、子ども一人を育てるくらい何の問題もない収入があります。しかし、これは自分が働き続けた場合の話で、妊娠が継続していけば仕事量もコントロールしなければなりませんし、産休・育休は確実に必要です。
「それだけ収入があるんならちょっと休んだっていいじゃない」と思う人もいるかもしれません。でも、これは収入の問題ではなく、仕事に対する意識の持ち方なのだと思っています。苦労して作ってきたパズルと一緒。これまで積み上げてきたものが崩れてしまうかもしれないと思ったら、しかもそれが今後の生活に悪影響を及ぼすかもしれないと思ったら、誰だって不安になります。働く女性が産休・育休問題で不安になるのは、「贅沢!」でも「母性がない!」でもなく、当たり前のことなんだと実感しました。
幸い、私の場合はフリーランス(現在は経営者)なので、自分の仕事を自分で設計できます。仕事面で主に自分が決めたこととしては、
1. 出産までに貯めておきたい貯金額を決めて、ギリギリまで稼いで産休に備える。
2. 出産・産休中でも出来る在宅ワークを今のうちから増やしておく。
このふたつで、なんとか乗り切ろうと思いました。しかし、そう簡単に行かないのが妊娠・出産です。
意思に反して変わっていく身体と心
私の場合、幸いつわりがほとんど無かったのですが、6週目くらいからとにかく倒れそうなくらい眠く、疲れやすく、思うように仕事が出来ない日々が続いています。それまでは休み無しで働くのが苦でもなかったのに、18時には眠いし、駅の階段を登るだけで息切れがする。もっと困ったのは、集中力・判断力・記憶力の低下です。
特に妊娠初期は慢性的に頭に靄がかかったようになり、打ち合わせに出ていても話が頭に入ってこなかったり、慣れている駅の乗り換えなのに道に迷ったり、忘れっぽくなったり、当たり前に出来ていたことができなくなってひどく焦りました。最初は気持ちの問題かと思っていましたが、これらは医学的にも実証されていることのようです。
また、ホルモンの変化や環境の変化から引き起こされるメンタルの不調にも悩まされました。とにかく赤ちゃんが無事に育っているかが不安で、事あるごとにネット検索しては余計に不安になったり、考えてもらちが明かないことで悩んで一日中メソメソしたり、恐怖から恋人に当たり散らしたり。
次第に私は「上手く産休を乗り越えても心や脳が変わってしまうのなら、妊娠・出産によって仕事人としての自分は死んでしまうのではないか?」という不安にさいなまれるようになりました。
まるで異なるプログラムが勝手にインストールされていくように、今までの自分が変わっていく恐怖。喜ばしいことのはずなのに戸惑いや不安を感じている自分に対する嫌悪感と、パートナーや赤ちゃんに対する申し訳無さ。それでまたヘコんで、不機嫌になって、またヘコむという悪いスパイラルに陥っていました。
消えていく自分が怖いのなら、残す方法を考えよう
誰しも「自分らしさ」というものを持っています。でも、それが自分の意志とは関係なしに書き換えられていったら恐ろしいと思いませんか。今日の私は、明日には死んでいるかもしれない。そう思うと怖くて、私は妊娠中にふと思ったことをメモするようになりました。いつか見返して、「あのときはこんなことを思っていた」「こんなことに悩んでいた」という記録を残したかったのです。
同様の理由で、これまでのビジネスノウハウもブログにまとめて公開することにしました。忘れてしまう前に文章に残しておけば産後に役立つかもしれないし、最悪、誰かの役に立つはず。そうやって消えるかもしれない自分のかけらを残そうとしています。
コントロールできないものを受け入れる。そのために出来るたった一つのこと
私の経験上、仕事というものは一度軌道に乗ると案外コントロールが効くものです。環境さえ整えば、仕事は自分を裏切らない。でも、妊娠出来るかどうかも無事に出産できるかも、常にアンコントローラブルの連続です。それは自分で自分の人生を切り開いてきた自負がある者ほどストレスを感じる状況です。
じゃあ、なんで仕事一筋の私が突然の妊娠を受け入れて「産む」を決断できたのか。シンプルですが、答えはやりたいことを思う存分わがままにやってきたからだと思っています。「酒はもう一生分飲んだ。旅も、この年齢にしては随分行った。仕事も悔いなくやってきた。ここで一度、全く違うことをやってみてもいいのではないか」と、自然に思えた。妊娠に戸惑う今もそう。戸惑いながらも、自分の記憶をまとめたり、こうやって文章を書いたり、今を精一杯生きている。結局私にできるのは「今を精一杯生きること」だけだし、それがアンコントローラブルな人生の中で、納得しながら生きていく唯一の方法なのだろうと思うのです。
(落合絵美)
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January 29, 2020 at 03:02PM
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