寝ても覚めてもインスタ世代のミレニアルズだが、彼らが口をそろえて「インスタにはあげない」という場所がある。それは「お気に入りのスナック」だ。
スナックといえば、仕事に疲れたおじさんたちがママの癒やしを求めて通うイメージがあるが、最近はスナック通いにハマる20代が増えているらしい。友達と食事をした後、恵比寿や新宿にある行きつけのスナックにふらりと立ち寄り、ママや常連さんとたわいない会話や人生相談に興じる。「仕事も年代も違う、何のつながりもない人と話すのが心地よい」(27歳女性)という。「自分だけの居場所。人には知られたくない」とのことで、「インスタにはあげたくない」。
背景には「SNS疲れ」がありそうだ。調査会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(東京・新宿)が2015年に実施した調査によると、18~29歳で「人との付き合いを大事にしていきたい」という欲求は過去20年で最低となり、反対に「自分ひとりの時間や場をつくりたい」欲求は最高となった。
SNSで24時間365日、常に誰かとつながってしまう状況だからこそ、独りの時間が欲しいという気持ちが膨らむのだろう。27歳の女性は、「何をしても炎上する時代だけど、スナックのママは愚痴なども全部を肯定して聞いてくれる。包容力のある場所」とスナックの魅力を語る。
「アナログ」なサービスやモノの人気が高まっていることも、スナック人気の理由としてあげられる。ネオマーケティング(東京・渋谷)が17年に18~29歳を対象に実施した調査によると、SNS投稿者の75.3%が「アナログ的な要素のある商品・サービスを利用してみたい」と回答。利用してみたいサービスとして、「純喫茶」や「昭和居酒屋」などが上がった。
その理由として上位に来たのが、「温かみがあるから」「人間味を感じるから」など。ミレニアルズはSNSで友人知人と常時つながる一方で、付き合いが表層的になり、人との触れ合いが少なくなっていると感じているのだろう。
スナックはママと常連が作り出す一つのコミュニティーという性格がある。ミレニアルズはこうしたコミュニティー=居場所を求めている。最近、スナック通いを始めた26歳の女性は、「バーはおしゃれな雰囲気でカップルも多い。1人ではくつろげない」「お酒が飲めないが、スナックならソフトドリンクも頼みにくくない」と語る。
また、ミレニアルズは年齢や職業にかかわらず、フラットな人間関係をつくれるという特徴がある。少し上の世代は「年上と話すと気を遣って疲れる」(37歳女性)と昭和的な価値観を引きずるが、20代は「50代、60代と話すと、異なる価値観を知れて楽しい」と気にしない。だからこそ、スナックでの人間関係はストレスフリーな自分だけの居場所になる。
中には、「旅先でスナックに入り、地元の人と触れ合うのが楽しいし、ネットでは見つけられない地元ならではの情報がもらえる」という女性もいた。ネットでは手に入らない、ぬくもりや情報がスナックにはある。ネットを使いつくした世代が行き着くのは、結局、リアルなコミュニティーだというのが面白い。
(ブームプランニング代表 中村泰子)
[日経MJ2020年1月24日付]
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February 04, 2020 at 03:36PM
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