
子供の頃、母と一緒にスーパーへ行き精算を済ませてレジ袋へ商品を詰めるとき、ベロッ! 大きく親指を舐(な)めて袋を開ける母。微妙な年頃の私は、その行為が許せなかった。
「指舐めんどきぃや!」「だって開けにくいやないの。やってみなさいよ」。私が力と念をこめて袋をこすっても、悲しいかな乾燥肌の私の指はただ上滑り、いつまでたっても開けられない。私からレジ袋を取り上げた母が「ほらね」とまたベロッと舐めた指で開けていくシーンがなぜか30年以上たっても忘れられない。
そして、私も大人になり東京で働いていた頃、同僚のKさんと一緒に買い出しに行く機会があった。3つほど年下のKさんとは、まださほど親しくはない間柄だった。
精算が終わり、商品の袋詰めをしていたら、「あっ、今津さん! 今、指舐めたでしょ」と見つけたぞと言わんばかりの目で言われたので、私は慌てて「ち、違うよ! 舐めてないよ。ハーッて指に息吹きかけてたんだよ」と弁解。するとKさんは「それだったらいいです」となぜだか上から目線のOKをくれた。
あれから10年以上たち、もう何の迷いもなく指ベロで袋を開ける私がいる。娘は何も言わないが、そのうち「お母さん、それ止めてよ!」と言い出すのだろうか。
その頃の私はスーパーで余分なポリ袋を何枚も堂々と持ち帰るような恥ずかしいおばちゃんになっているのだろうか。それは勘弁願いたい。いや、でも、もしかしたら…。
今津 雅代 48 兵庫県宝塚市
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March 24, 2020 at 03:00AM
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【朝晴れエッセー】私のレジ袋問題・3月24日 - 産経ニュース
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