マスクを着ける日本人、着けない英国人
[ロンドン発]愛媛県今治市で暮らしているイギリス人の友人アンジェラ・菊川さんが新型コロナウイルス騒動で健康なのにマスクを着用し、スーパーでトイレットペーパーからティッシュ、キッチンペーパーをパニック買いする日本人に驚いています。
「日本のトイレはみなウォシュレット(温水洗浄便座)なのにどうしてトイレットペーパーをパニック買いするのか全然、理解デキマセン」「これが大戦の焼け野原から奇跡の復活を遂げた同じ日本人なの?」と目を丸くするアンジェラさんにお話をうかがいました。
「新型コロナウイルスの流行に対してイギリスにいる私の友人と日本の人々の態度に大きな違いがあるのは非常に奇妙です」
「英イングランドで暮らす私の家族や友人たちも新型コロナウイルスの感染拡大を非常に心配していますが、誰もマスクは着けていません」
「イギリス人はマスクが感染予防に役立たないことを知っていると思います。奇妙なのは、私が日本人にマスクが感染予防に役に立つかどうか尋ねると、皆“あまり役に立たない”と答えます」
マスク着用は社会的なプレッシャー
「日本人はマスクが感染予防に役立たないと知っていて着用しているのです。マスク着用の社会的なプレッシャーがあるのだと思います。合理的な有効性よりも日本的な礼儀正しさに関係しているのでしょうか」
「数日前、咳をしている男性が電車の中でマスクを着用していなかったため、他の乗客が非常通報ボタンを押して、列車が3分遅れたことがニュースになりました」
「マスク着用を巡って事件が起き、電車がたった3分間遅れただけで日本ではニュースになるのに笑ってしまいました」
「イギリスでは電車が遅れるのは日常茶飯事でニュースにしていたら新聞の1面から最終ページまで電車の遅延ニュースで埋まってしまうからです」
マスクの次はトイレットペーパーが売り切れ
「今治では数週間前からマスクは品切れ状態が続き、購入するのは非常に困難です。今はトイレットペーパーの売り切れが広がっています。これも最初に聞いた時、笑ってしまいました」
「日本の家庭はイギリスと違ってほとんど全部のトイレにウォシュレットが付いています。温水洗浄便座を使えばいいのに、どうしてトイレットペーパーの心配をする必要があるのか、おかしかったからです」
「私の日本人の夫は、92歳になる父親が、トイレットペーパーがなくなるのを心配していたのでスーパーに買い物に出かけました。地元の2つのスーパーを回りましたが、売り切れでした」
「翌日トイレットペーパーの入荷があるので翌日の午前中に来てみるよう店員さんに言われたそうです。今朝、私は午前9時10分にスーパーに行きました。そのスーパーは9時に開店し、駐車場はいつもより混雑していました」
キッチンペーパーも棚から消える
「私はトイレットペーパーを探しに行きましたが、棚にはトイレットペーパー、ティッシュ、キッチンペーパーが全くありませんでした。隣のスーパーものぞいてみましたが、棚は全部空っぽでした」


「ボードを持った店員さんのところに長い列が出来ていました。どうやらマスクを買うための行列でした。マスクは数週間売り切れが続いていましたが、店は何とか500個の小さなマスクを仕入れることができたようです」

「マスクを購入するための非常に精緻なシステムが作り上げられていました。店員は大量のペケ印が記載されたスプレッドシートを持っていました。何が起こっているのと尋ねると、マスクを買えるのは列の3番目の人まででした」
「別のスーパーは午前10時に開くので、並ぶために車で行きました。午前9時50分に着くと前から15番目でした。9時55分には私の後ろにさらに15人が並びました」
「その直前に店員が出てきて、マスク、トイレットペーパー、ティッシュはなく、その日のうちに配達されるかもしれないが、何時になるか分からないと説明しました」
「店にはマスクがあると書かれていたので人々は非常に驚きました。ほとんど全員がアッという間に立ち去りました。他のスーパーも同じでした。空の棚。次の配達がいつになるか分からないのも同じです」
ゴム手袋や手の消毒液の在庫は十分
「最後に訪れたスーパーでは何が品切れになっているかよく確かめて回りました。全ての在庫は完全にあるように見えました。ゴム手袋、手の消毒液、洗浄液はすべて十分にありました」
「念のためイギリス人の大好物のビールもチェックすると、いっぱいあったので安心しました」

「なぜ日本人はトイレットペーパーをそんなに心配するのでしょう。もし仮に自宅にウォシュレットがなかったとしても何か大きな問題があるのでしょうか。なぜパニックを起こしてトイレットペーパーを買いに走るのでしょう」
「もしトイレットペーパーがなくなっても新聞紙を切って使用すればいいと思うのです。私が子供の頃、誰かの家に行くと新聞が四角に切ってフックに掛けられていることがよくありました」
「当時の新聞は品質が悪くて、簡単にトイレに流せました。たとえ流せなくても、それを使用して処分することはできなくはありません」
公園のトイレには3個もトイレットペーパーが
「ヒマラヤで2回トレッキングしたことがありますが、新聞が使用されるのがごく普通でした。私は生粋の英労働党支持者なので大嫌いな保守系の英大衆紙デイリー・メールにボリス・ジョンソン首相の写真があれば使い甲斐があります」
「私が気になったのは、公衆トイレのトイレットペーパーでした。日本人は法律を厳守しており、公衆トイレからトイレットペーパーを盗みません」
「私が普段走っている公園では、常にホルダーに2つのきちんとしたロールがあり、その上に予備のロールが1つあります」

「イギリスならトイレットペーパーが不足していれば、反社会的な人たちが公共の公園から盗み出します(盗むものがある場合ですが)。それで私は公園のトイレを見に行きました。3つのきちんとしたロールがありました」
==休校なら子供のいる親は仕事には行かない==
「学校が閉鎖されていることをイギリスの家族や友人に話すと驚きました。イギリスでこれを行うと国民は大騒ぎするでしょう。子供がいる人は仕事に行かないでしょう」
「非常に驚いたのは、女の人がテレビに出て来て夫も自分も働いているので、子供を1人で家に残す以外に選択肢がなかったと話していたことです。その女の人の長男は約11歳、一番小さい子は6歳です」
「イギリスでも子供を1人で家に残すことはできないという法律はありませんが、そうする親はまずいないでしょう。もし子供を残してきたとしても、少なくともテレビの前でそれを認めることはありません」
「イギリス人がトイレットペーパーをパニック買いするとは思いません。私が思い出せるのはガソリンのパニック買いです」
「イギリス人はあまりパニックになることはないと思いますが、新聞は不安を煽っているので、これからどうなるかは分かりません」
「イギリスの友達にトイレットペーパーをパニック買いすかどうかも尋ねました。皆ノーと答えました。 パニック買いするとしたらパン、牛乳、コーヒー、ワイン、解熱鎮痛薬、シリアル食品、石鹸、お茶です」
「私は間違いなくお茶とワインの両方を買うでしょう。 何が最も重要なのか私には判断できません。感情を決して表には出さないイギリス人ですが、少し揺ぎ始めるかもしれません」
石油危機のトイレットペーパー騒動
産経新聞が戦後50年に連載した「戦後史開封」石油危機の「トイレットペーパー騒動」によると、石油危機最中の1973年秋、大阪発行の新聞は大阪の千里ニュータウンでトイレットペーパー騒動が起きたことを報じています。
トイレットペーパーをはじめ洗剤、砂糖など全国で日用品のパニック買いが起き、金融機関の取り付け騒ぎにまで発展しました。
「ニュータウンは全部水洗だから、トイレットペーパーは買っておかなければ明日の生活が困る」という主婦の不安がパニック買いの発火点だったそうです。
この時は石油供給が不足し、それまでの経済や生活への信頼感が崩壊。それが不安を生み、根拠のない恐れが燎原の火のごとく広がりました。
感染症パニックの始まりの始まり
今回は目には見えず、ワクチンも治療法もない感染症が健康や安全への信頼感を損なってしまいました。安倍政権の信頼も地に落ちています。
そんな時に不安に火を放つのは非常に容易いでしょう。だからこそウォシュレットがあるのにトイレットペーパーを買いに走るという珍現象が起きたのでしょう。
これはパニックの始まりの終わりどころか始まりの始まりに過ぎないのかもしれません。
(おわり)
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March 03, 2020 at 09:30AM
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