自分の心をしまい込んでいた過去。
2018年4月に行われたコンサートツアー「Expectations Tour」で歌うヘイリー・キヨコ。Photo: Daniel Knighton / Getty Image
昨年9月、ケリー・クラークソンの番組に登場したヘイリー・キヨコはこう話した。
「子どもの頃は自分がレズビアンであり、周りと違うということが私の最大の弱点だと思っていた。でも今は、それが私の最大の強みよ」
彼女は自身が同性愛者であることを長年心にしまい込み、周囲からは理解してもらえないだろうという不安と恐れを抱えていた。しかし次第に、この生きづらさを変えるためには、「私が不安だったら周りも不安になる。自分で声を上げていかないといけない」と思うようになり、感情を音楽づくりにぶつけるようになった。
2019年のMTVビデオ・ミュージック・アワードに出席したヘイリー。Photo: Bryan Bedder / Getty Images
子どものころから女優として活動してきたヘイリーのターニングポイントとなったのが、2015年に発表した歌手デビュー作「Girls Like Girls」だった。ミュージックビデオの演出も自ら手掛け、女性への恋愛感情を恐れることなく歌い上げた。本作は、同じ悩みを持つティーンを「同性間の恋愛は別に珍しいことではない」と励ましただけでなく、MVを通じてLGBTQ+の人々が受ける暴力についても問題提起し、多くの共感と支持を得たのだ。
一方で、「LGBTQ+をカミングアウトしたアーティストの曲はヒットしない」「これはアンダーグラウンドミュージックだ」といった批判も多くあったという。それでも彼女は表現することをやめなかった。なぜなら、先人たちがつくってきた歴史に自分も支えられ、自分もそのバトンを次世代につなぎたいから。
抱いた感情に間違いはない。
今年1月にリリースした新曲「She」でヘイリーは、10代の頃の自分自身についてノスタルジックに歌っている。MVには、常に孤独を感じていた当時ショートヘアだった彼女が、自分の部屋でいろんな服を着てみたり、鏡の前で踊ってみたり、ロックスターのようにギターを弾き鳴らす姿が映っていて、最後には、レインボーの旗を楽しそうに振り回す彼女がいる。まさにジェンダークィアな心の中を、自分の部屋に重ねて表現しているようだ。彼女は私たちをこう勇気付ける。
「自分の本当の気持ちや夢を愛し、堂々と生きることを恐れなくていい」
LGBTQ+に対する社会の理解は昔に比べると随分と深まり、自分のジェンダーアイデンティティをオープンにする人も増えた。しかしある調査では、今も42%のLGBTQ+の人々が「社会から受け入れられていない」を感じながら暮らしている。
2019年11月、若い世代のLGBTQ+の自殺防止に取り組む団体「ザ・トレバー・プロジェクト(The Trevor Project)」で、「ユース・イノベーティブ・アワード(Youth Innovative Award)」を受賞。Photo: Amanda Edwards / Getty Images
ヘイリーは若い世代に語りかける。
「音楽を通じて、私は愛とアイデンティティに関するパーソナルな経験を、同じように苦しんでいる人々と分かち合うことができた。私の一番大きな目標は、みんなに希望をインスパイアし続けることよ」
そして、社会に根付いたバイアスを取り除き、誰もが生きやすい社会に変えるべく、ヘイリーは当事者に寄り添い、声を上げ続ける。
「今の世の中には、まだ生き辛い部分が多く残っている。でも自分の気持ちに正直になることで、世界が変わって見えてくるの。自分の抱いた感情に、間違いはないわ!」
Text: Mina Oba
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May 05, 2020 at 06:00AM
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「クィアであることが私の最大の強みよ!」──悩んだ過去を力に変えて、ヘイリー・キヨコは歌い続ける。【社会変化を率いるセレブたち】 - VOGUE JAPAN
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