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ミネラルとは(女性専門パーソナルトレーナー田中亜弥) | 筋トレしようぜ! - Business Journal

こんにちは!

女性専門パーソナルトレーナーの田中亜弥です。

今日は、名前は聞いたことあるけど、あまりよく知らないであろう「ミネラル」についてお話ししていきます。

1.ミネラルとは
 人体の成分として体内に存在する元素は、約60種類と言われています。最も多いのが酸素で65%、次いで炭素18%、水素10%、窒素3%で、この4元素で96%を占めています。ミネラルとは、残り4%にあたる元素すべてを指しており、無機質ともいいます。また、ミネラルは、五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)のうちの1つです。

2.ミネラルの種類
 ミネラルには、約100種類の栄養素があると言われています。そのうち、人間の体に必要なミネラルは16種類と言われており、それらを「必須ミネラル」と言います。 また、1日の必要量が100mg以上のものを「主要ミネラル(多量ミネラル)」といい、人での必須性が認められているのは7種類です。また、100mg未満のものを「微量ミネラル」といい、9種類あります。
<必須ミネラル>
主要ミネラル:カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム
微量ミネラル:鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト

3.ミネラルの役割
 ミネラルは、体の調子を整えるために重要な役割を果たします。 ミネラルの必要量自体は少ないのですが、カラダを正常に保つために必要不可欠な栄養素と言えます。 そして、ミネラルは体内で生成ができない栄養素なので、日頃から食べ物や飲み物などで補う必要があります。
主要ミネラル
カルシウム(Ca):骨と歯を作るために必要な栄養素で、ミネラルの中でも1番に多い。体内にあるカルシウムは、99%が骨と歯にあり、そして残りの1%は筋肉や血液にある。 残り1%のカルシウムで、出血を止めたり、脳や筋肉の活動など生命の維持に重要。
リン(P):ミネラルの中でカルシウムの次に多い栄養素。体内にある85%のリンが、骨や歯を生成するために必要な栄養素。残りの15%は、筋肉や神経など色々な組織に含まれており、エネルギーを生成する。
カリウム(K):細胞内液の浸透圧の調整し一定をキープする働きや、水分を保持する。また、ナトリウムを排出する作用を持っているので、塩分の摂りすぎを調節する。
硫黄(S):タンパク質やホルモン、ビタミンの構成成分。
塩素(Cl):体液の浸透圧を調整し、胃液に含まれてる。また、ナトリウムとともに食塩(NaCl)として血液中に存在している。
ナトリウム(Na):食塩の形で摂取され、ほとんどが細胞外液に含まれており、細胞外液の浸透圧を調整したり、外液量を一定にキープする。それだけでなく、筋肉を正常に動かしたり、神経の情報伝達などにも関わる。
マグネシウム(Mg):カルシウムやリンと同様に骨や歯の生成に必要な栄養素。カルシウムはほとんどが骨に貯蓄されるのに対して、マグネシウムは、50%~60%が骨に含まれる。また、神経の興奮を抑制したり、エネルギーの生成をサポート、血圧の維持に働く。
微量ミネラル
鉄(Fe):体内にある約70%の鉄が、血液中にある赤血球を生成するヘモグロビンの成分となり、約25%の鉄が肝臓などに貯蓄される。ヘモグロビンは、呼吸から取り入れた酸素とくっつき、肺からカラダのすみずみまで酸素を運び届ける働きを持つ。
亜鉛(Zn):味覚を正常に働かせたり、アルコールの分解、性機能の維持に働く。また、新たな細胞を生成する際のDNAの複製、タンパク質の合成などにも関わる。細胞の再生に必要不可欠。
銅(Cu):銅は鉄が赤血球を生成するためにサポートをする役割。 また、銅はカラダの中にある様々な酵素となり、活性酵素を撤去する働きがあったり、骨の形成をサポートする働きもある。
マンガン(Mn): 色々な酵素の構成成分で、酵素の活性化に役立つ栄養素。 また、骨の形成したり、糖質や脂質の代謝に働く酵素、抗酸化作用のある酵素などの構成成分になる。
クロム(Cr):インスリン作用を増強し、糖代謝やコレステロール代謝にかかわる。
ヨウ素(I):甲状腺ホルモンの構成成分に利用される栄養素。代謝を促進する。
セレン(Se):酵素の成分として過酸化物を消去。水銀、カドミウム、砒素の毒性を軽減。
モリブデン(Mo):尿酸の合成にかかわる。
コバルト(Co):骨髄で赤血球の生成にかかわる。またビタミンB12no成分として働く。

4.ミネラルを多く含む食材
主要ミネラル
カルシウム(Ca):牛乳、小魚、海藻、大豆および大豆製品、緑黄色野菜
リン(P):魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類
カリウム(K):バナナ、メロンなど果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類
硫黄(S):肉、魚、卵、アブラナ科の野菜、ネギ類
塩素(Cl):食塩、しょうゆ、みそなどの調味料、中華麺、梅干しなどの漬物
ナトリウム(Na):食塩、しょうゆ、みそなどの調味料、中華麺、梅干しなどの漬物
マグネシウム(Mg):アーモンドをはじめとする種実類、魚介類、藻類、野菜類、豆類
微量ミネラル
鉄(Fe):魚、貝、大豆、緑黄色野菜、海藻
亜鉛(Zn):かきやうなぎなどの魚介類
銅(Cu):かき、するめなどの魚介類、レバー、ナッツ、大豆、ココア
マンガン(Mn): 全粒穀類、豆類、ナッツ、茶葉
クロム(Cr):小麦胚芽などの穀類や海藻類、魚介類
ヨウ素(I):わかめ、ひじきなどの海藻類や魚介類
セレン(Se):魚介類や肉、豆類
モリブデン(Mo):豆類、穀物やナッツ類
コバルト(Co):肉、腎臓、レバー、ミルク、カキ、はまぐり、あさり

5.ミネラルの過不足による弊害
 体液や組織液のミネラルは、いつも一定の濃度で保たれています。食事から摂取するミネラルの不足や過剰が長く続くと、体液や組織液のミネラルの恒常性が保てなくなり、各ミネラル特有の欠乏症や過剰症が現れます。
主要ミネラル
カルシウム(Ca):[欠乏]骨粗しょう症[過剰]ミルク・アルカリ症候群
リン(P):[欠乏]骨や歯の発育不全、骨粗しょう症[過剰]カルシウムの吸収を阻害
カリウム(K):[欠乏]筋力低下、疲労[過剰]腎機能低下により高カリウム血症
硫黄(S):[欠乏][過剰]たんぱく質を適切に摂取していれば過不足はない
塩素(Cl):[欠乏]食欲不振、消化不良、栄養素の吸収阻害[過剰]特になし
ナトリウム(Na):[欠乏]食欲不振、吐き気[過剰]高血圧
マグネシウム(Mg):[欠乏]神経過敏、虚血性心疾患[過剰]まれに低血圧、筋肉麻痺

微量ミネラル
鉄(Fe):[欠乏]鉄欠乏症貧血症[過剰]便秘、胃腸障害
亜鉛(Zn):[欠乏]味覚異常、食欲不振[過剰]胃障害、めまい、吐き気、貧血
銅(Cu):[欠乏]まれに貧血、骨異常[過剰]特になし
マンガン(Mn): [欠乏]成長阻害、生殖機能障害[過剰]まれに神経症状
クロム(Cr):[欠乏]末梢神経障害[過剰]特になし
ヨウ素(I):[欠乏]甲状腺肥大[過剰]甲状腺機能障害
セレン(Se):[欠乏]克山病、貧血、関節炎[過剰]脱毛、免疫機能の低下
モリブデン(Mo):[欠乏]特になし[過剰]特になし
コバルト(Co):[欠乏]悪性貧血や知覚異常、神経障害[過剰]特になし

 現代の日本人のミネラル摂取においては、特にカルシウムや鉄の欠乏が見られます。また、一方で、日本食は塩分が高いので、ナトリウムを適正量よりも多く摂っている傾向にあります。欠乏症や過剰症にならないためにも、ミネラルもバランスよく摂取したいですね!

次回は、人間の体に必要不可欠な「水」についてです。お楽しみに!

〔参考文献〕
・『改訂新版いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書』中島洋子監修(新星出版社)
・『ミネラルの種類と栄養、生理作用|ミネラル大辞典』(食と健康の総合サイト e840.net)

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