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神戸ビーフをソフトクリームに?!身内も驚く計画 - 神戸新聞

 神戸ビーフを使ったソフトクリーム!? にわかには信じがたい商品開発が「神戸ワイナリー」で進んでいると耳にし、運営する「神戸みのりの公社」(神戸市西区)を訪ねた。同公社トップはあっさりと計画を認めたものの、職員からは「まさか本気とは」と戸惑いの声も。そもそもソフトクリームは新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込む中、苦肉の策として生み出した商品。「なぜそこまで攻める?」と同公社トップにぶつけてみた。

 同公社によると、新型コロナの影響でレストランなど業務需要の低調が続き、今年上半期(1~6月)の神戸ワインの売り上げは、前年より3割減ったという。

 ワイナリーも4、5月は休館し、6月以降もほとんどの団体ツアーがキャンセルとなった。同公社の長沢秀起理事長(62)は「いつつぶれてもおかしくなかった」と振り返る。

 注目したのは、これまで見逃していた子どもの需要。ワイナリーでは7、8月、赤レンガの広場を「野外ステージ」として貸し出す試みを始めた。その結果、コロナ禍で発表の機会を失っていた子どものダンスチームなどが「密を避けて発表できる」と毎週のように訪れるようになった。

 だが、ワイナリーは本来、ワインを醸造し、販売する施設。子ども向けの商品を作れないかと職員が頭をひねり、ワイナリー課の吉田貴亮課長(47)が目を付けたのが、同公社の経営する「六甲山牧場」(同市灘区)のソフトクリームだった。

 ワイナリーらしさを打ち出すため、ワイン用品種のブドウを絞ったジュースをソフトに混ぜ、赤と白の2種類が完成。夏季限定商品として週替わりで販売したところ、「今週はどっち?」と問い合わせが来るほど人気を集め、8月は約2千食を売り上げた。

 「園内のワインショップの売り上げは前年の20~30%に落ち込むと見込んでいたが、ソフト効果で逆に前年を上回り、120%まで増えた」と吉田課長。

 成功を受け、秋向けに開発したのがイチジクソフトだ。地元の女性農家グループが作ったジャムを使い、プチプチとした食感と上品な甘さを両立した。400円で、11月末ごろまで販売する予定という。

 企画が進む第3弾の冬季商品について、長沢理事長が10月、一部の職員に「神戸ビーフとワインを一度に味わえるソフトを作りたい」と“腹案”を披露。驚いた職員の記憶に残り、うわさが広まったという。

 商品開発を担ってきた吉田課長は取材を受けて初めて計画を知り、「理事長のアイデアには誰もかないません」と苦笑。他の職員も「味が想像できない」と半信半疑の表情を浮かべる。

 だが、当の長沢理事長は「イチジクソフトのおいしさは、まさに予想以上。つぶれないためには固定概念を捨て、話題になる商品を作る必要がある」と力説。きょとんとする吉田課長に「ワインのアルコール分を飛ばし、肉をミンチにして練り込めば…」と真剣な表情で語り始めた。夕食のテーブルでは相性抜群の両者が、アイスで共演する日も遠くないかもしれない。

 同公社TEL078・991・3911

(伊田雄馬)

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November 19, 2020 at 10:05AM
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