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「私の判断に子どもの命が懸かっている」2カ月閉鎖された運動場 3年前の記憶いまだ鮮明に - 沖縄タイムス

[基地の隣で 普天間第二小 ヘリ窓落下3年](中)

窓が落下したグラウンドを調べる県警の職員ら=2017年12月13日、宜野湾市・普天間第二小学校

窓が落下したグラウンドを調べる県警の職員ら=2017年12月13日、宜野湾市・普天間第二小学校

事故から授業参観までの数カ月間の記憶が抜けているというマユさん=3日、宜野湾市の普天間第二小

事故から授業参観までの数カ月間の記憶が抜けているというマユさん=3日、宜野湾市の普天間第二小

窓が落下したグラウンドを調べる県警の職員ら=2017年12月13日、宜野湾市・普天間第二小学校 事故から授業参観までの数カ月間の記憶が抜けているというマユさん=3日、宜野湾市の普天間第二小

 2017年度の3学期、宜野湾市の普天間第二小であった学年最後の授業参観。2年生のあるクラスはアニメ「トム・ソーヤーの冒険」の主題歌を保護者へ贈った。

 「地平線のかなたで待っている 素晴らしい冒険が そうさ つらい時も顔を空に向けろ♪」

 担任のマユさん=仮名、当時40代=も歌うつもりだったが、涙が止まらず、目を伏せた。数カ月前の17年12月13日、運動場で体育の授業中に米軍ヘリの窓が落ち、教室へ走ったクラスだった。

 「何があっても、子どもたちは第二小に来るしかない。私だけ逃げるわけにはいかない」。マユさんが自分にむちを打ってようやく迎えた年度末だった。

 マユさんと子どもたちの目標は「何でも自分でできる2年生」。事故当日、2校時が体育だった2年生約30人は運動場に自ら整列した。体育係は自信たっぷりに号令をかけた。

 ジョギング、体操、縄跳び。うんていに続き、2人1組のキャッチボールで手先をほぐしていると、上空に黒い物体が現れた。

 ふわふわ、ひらひら。一向に近づいてくる感じがしない。何となく枠の形に見えるが、待てども待てども大きくなるのか小さくなるのか、はっきりしない。テントの切れ端かなと思い直してドッジボールを始めた時、左の方から「バン!」と音がした。

 瞬間、同じく体育の授業をしていた4年生の担任と目が合った。キャッチボール中に飛んだヘリ3機と黒い物体が頭の中で一気につながり、6日前の緑ヶ丘保育園の事故と重なった。「みんな! 教室に戻りなさい!」

 警察からの事情聴取や保護者への児童の引き渡しを終え、帰宅途中に渋滞に巻き込まれて初めて、マユさんは震えだした。

 ドッジボールコートの白線を引いたのは、普段より西側。4年生も運動場を使うと知って初めて使ったエリアで、窓枠が落ちた場所はこれまでなら外野が立っていた。数分前であれば、うんていを終えた子どもたちが歩いた場所。12分遅ければ休み時間で、他学年が思い切り走り回っていた。

 「私1人の判断と指示に、みんなの命が懸かっていたんだ…」。安堵(あんど)感の一方、責任の重さが迫ってきた。

 事故後、運動場は約2カ月閉鎖された。監視・誘導員を置いて再び使うようになった時、多くの子どもたちは喜んで駆けだしたが、マユさんの体は動かなかった。かといって「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出すこともできなかった。

 事故から3年。マユさんは「子どもたちをどうやったら守れるのか、答えが見つからない。体育の授業が運動場じゃなく体育館だと、ホッとしてしまう自分がいる」とうつむいた。(中部報道部・平島夏実)

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December 12, 2020 at 03:12AM
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