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【私の視点 観光羅針盤 224】波乱の年の幕開け 北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授 石森秀三 - 観光経済新聞

 かつて「1年の計は元旦にあり」といわれたが、令和2年元旦の新聞各紙の第1面を飾ったのは「ゴーン被告無断出国」のニュースだった。

 会社法違反(特別背任)などで起訴された事件で保釈中のカルロス・ゴーン被告が無断で中東レバノンに出国し、「有罪が前提で差別がまん延し、基本的な人権を否定している不正な日本の司法制度の人質ではなくなる」という声明を出している。詳細は不明であるが、国辱的な「前代未聞の不祥事」であることは確かだ。

 次いで3日には、イラクのバグダッドの国際空港で米軍がイラン革命防衛隊の車列をミサイル攻撃し、ソレイマニ司令官を殺害したというニュースが飛び込んできた。この司令官は精鋭組織コッズ部隊を率いる英雄であったために、イランの最高指導者ハメネイ師は米国への報復を示唆し、中東情勢は一気に緊迫化している。

 重たい気分で新年を迎えたが、幸い4日に妻と一緒にニューイヤーコンサートに出掛けて気分が爽やかになった。

 と言っても、ウィーン楽友協会の大ホールでのコンサートではなく、帰省中の大阪のフェスティバルホールで開催されたウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団のコンサートでウィンナ・ワルツを満喫して気分が晴れやかになった。

 私は音痴であり、「芸術」センスを欠いているが、改めて芸術が人間を幸せにしてくれることを実感できた。

 昨年4月に日本では55年ぶりに新しい大学制度(専門職大学)がスタートした。すでにいくつかの専門職大学が開学しているが、私は来年4月に開学予定の「国際観光芸術専門職大学」(仮称)に注目している。芸術文化と観光で地域を創造する専門職業人の養成が目指されている。1学年80人の少人数教育、授業の3分の1が実習、教員の半数が実務家で、理論と実践の新たな学びが試みられる。

 この専門職大学は兵庫県立で、県北部の豊岡市に設置される予定だ。学長候補者は劇作家・演出家の平田オリザ氏。豊岡市は人口約7万8千人、「コウノトリの里」として有名で、城崎温泉などがある。

 すでに14年に「城崎国際アートセンター(KIAC)」が創設され、舞台芸術に特化したアーティスト・イン・レジデンスがスタートしており、平田氏が芸術監督を務めて滞在型の国際舞台芸術活動が行われている。

 また、フランスのアビニョン演劇祭をモデルにして「豊岡演劇祭」を創始予定で、アジアで初めての演劇産業の拠点づくりが構想されている。その際に欠かせないのが専門職大学で養成する人材というわけである。

 兵庫県が専門職大学を設置し、豊岡市がKIACを設立するとともに、豊岡演劇祭を創始して演劇産業の拠点づくりを行うという構想は魅力的だ。今後、民産官学の協働で構想が着実に実現されることを祈っている。

 (北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)

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January 13, 2020 at 10:00AM
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